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記事: TaG.(タグ)ができるまで

TaG.(タグ)ができるまで

“ソト遊びの選択肢を広げる”新たなブランド「TaG(タグ)」がスタートしました。日頃はクライアントワークに当たるふたりのデザイナーが、「自分たちが作りたいと思うものを作る」と旗揚げしたTaGとは、一体どんなブランドなのか。TaG編集部が話を聞きました。

 

ー 「TaG(タグ)」とは、どんなブランドなのでしょうか。

 

T

TaGは、ソト遊びの選択肢を広げる道具を展開していくブランドです。この道具があれば、ソトでこんな楽しみ方やあんな遊び方ができる、ソトに出て遊びたくなるような道具を今後展開していく予定です。デザインを生業にしている私たちが、日々の暮らしの中で感じていることを具現化し、アイデア出しからお届けするところまで可能な限り自分たちの手を使って実践しています。

 

ー ブランドをはじめようと思ったきっかけについて教えてください。

 

T

わたしたちは夫婦でデザイン業をしているのですが、プライベートでは愛犬と一緒に生活しており、6年くらい前から毎日1時間ほど朝晩と散歩に行くのが日課になっています。二人とも自宅にこもって仕事をしていることもあり、外で歩きながら風や土、木の匂いを感じたり、鳥の声を聞いたりと、自然のなかで歩くことの気持ち良さを感じていました。

 


 

夏は暑いので、休みの日には少し木の多い小さな山のような場所で散歩することも多く、そこではいつもと違う木や土のいろんな匂いがするので愛犬もとても楽しそうで、私たちも歩いていて気持ちが良いのでより深い自然を求め、キャンプやハイキングをするようになりました。

 

H

いまはアパート暮らしで、仕事場と自宅をリノベして住んでいるのですが、屋上がある物件なので、休みの日には、普段家の中ではなかなか作れないような料理をつくって食事を楽しんだりもしています。

 


 

キャンプは、不便な環境に身を置くことで、頭と体、そして五感を使い、心地の良い疲れとともに心と体が整い、回復している感覚が得られます。

何もない山に住処をつくり、火を焚き、食事をつくる。

それは無駄を楽しむ遊びのようなものかもしれませんが、そんな時間こそ今の社会には必要な気がしています。

TaGを通じて、この素晴らしい自然体験を今を生きる人たちへ、そして次の世代へと繋いでいきたい、それがTaG.をはじめようと思ったきっかけです。

 

ー 愛犬との散歩がきっかけではありましたが、日々家の中でこもって仕事をしているからこそ、自然体験で得られるものが大きいのかもしれないですね。ブランド名の由来についても教えてください。

 

T

TaGという言葉は、「Think about Green」の頭文字をとって、TaGと名付けました。直訳すると「緑(自然)について考える」という意味なのですが、先ほどお話ししたように素晴らしい自然体験を、次世代へと繋ぐことを目指しています。ふだんの生活では忘れそうになりますが、私たちの暮らしは衣食住のあらゆる面において自然に支えられています。"里山"という言葉があるように、昔は山との距離が近かった分、山の恵みに感謝しながら生活することはごく普通のことだったと思いますが、現代の生活ではそういった当たり前のことって実感しにくいと思うんです。

もちろん山まで行かなくても、ふだんの生活のなかで自然を感じ考えることのできる方は多くいらっしゃると思いますし、どこにいても自然と繋がることができる社会が本当は理想です。

キャンプや登山のようなアクティビティは、そんな当たり前だった大切なことを思いおこすきっかけになると思っています。自然の中で過ごし美しい景色に触れることで直接的にそんな感情が湧いてくると思うので、TaGを通じて自然のアクティビティを楽しむ方を増やし、同時に美しい景色を繋いでいくことができればと思っています。

 

ー ブランドコンセプトの「自然とともに」は、今のようなお話しからできた言葉なんですね。

 

H

そうですね。例えば家の庭やベランダで外の景色を眺めながらご飯を食べると、普段より美味しく感じたり。散歩中に心地良い風が吹くだけで、とても気持ちが良いと感じます。食材や風景、風を五感で感じ、自然を知り想うことは、山や森に行かなくてもできることだと思っていて。

日常の延長線上において自然と繋がる体験が多いほど、心と体が、そして暮らしがもっと楽しくなり、それが周りの環境や自然を想う気持ちへと繋がるような社会になればという祈りを込めています。

 

ー これまでのお話で"自然体験を繋ぐ"というワードが何度か出たとおもうのですが、具体的にはどういったことを実践していくのでしょうか。

 

H

有限である資源、自然を守っていくことを、自分たちができることから始めようと思っています。そのためにTaGではものを作って増やすだけではなく、できるだけ環境負荷のかからない"ものづくりのルール"を設定し、事業が軌道にのると同時に自然へ還元できるような仕組みを作りたいと考えています。

 

ー "ものづくりのルール"とは具体的にどういった内容ですか。

 

T

いくつかあるのですが、まずは「長く使える」ということです。長く使えるということは、メンテナンスがしやすく特に屋外での遊びなので、ガシガシと使っても壊れにくいものが理想的です。

2つ目は「拡張性がある」こと。多機能でおさまり(コンパクト)がよければ、ひとつの道具で、より幅広い遊び方を選択できますよね。

3つ目に「デザインが良い」こと。デザインがよければ愛着を持って使えるし、飽きのこないデザインであればより長く使うことができると思うからです。

最後に「できるだけ環境負荷をかけない」ことを大切にしています。

具体的に今回のプロダクトで実践したことは、近くでつくることと、必要な量だけをつくるということです。

海外でつくるよりも同じ県内でつくってくれる工場にお願いする方が環境面において輸送の負荷もかかりませんし、実際に現場を見ながら話ができるので、意図していることも伝わりやすく、ものをつくるという点においてとても勉強になります。

ものをつくるということは、大きなエネルギーを使って機械を稼働させ、人を動かし、CO2を排出することになります。そのため、大量に仕入れて原価をおさえ安く売るというよりも、必要な分だけを適正な価格で販売する方が、環境面においてのメリットは大きいです。

また、代用できるものは積極的にリサイクル素材を活用し、包装資材についてもプラを使わず再生紙を利用し、できるだけ簡素なつくりにしています。

自然の中であそぶ道具なので、売上の1%は自然保護団体へ寄付を行い自然のために使えればと考えていますが、ここについては、TaG.を動かしながら随時アップデートしていきたいと思っています。

 

ー 自然の中で遊ぶものだから、自然のために売上の一部を使う、とても納得です。商品をデザインするにあたり、大切にしていることはありますか?

 

H

大切にしていることはいくつかあるんですが、まずは「拡張性」という言葉にあると思っています。

INDOORとOUTDOORという言葉の通り、家の扉一枚の先には、自然との遊び方は無限にあると感じています。庭やベランダで食事したり、子供たちと公園で遊んだり、キャンプや登山といった山遊びからサーフィンや釣りなど海や川で遊ぶ人も多いんではないでしょうか。

例えば、真夏の暑い日に公園で遊ぶのは気が乗りませんが、標高の高い山であれば気持ちよくキャンプもできるし、予定が詰まっていてなかなか遠出ができない日でも、家の庭だったら友人や家族を招いて食事ができたりと。状況と気分次第で遊び方の選択肢がたくさん持てるときっと楽しいですよね。

だからTAGでは、これがあれば庭から山まで楽しめる、そんな自然の中での遊び方を拡張できる道具たちをつくっていきたいと思っています。

 

ー キャンプのためだけの道具というよりも、他のソト遊びでも使える道具を展開していかれるということですね。今後の商品展開も楽しみにしています。本日はありがとうございました。

 

ありがとうございました!